受験が終わりほっとしたのもつかの間、学習塾フレンズアップでは、また新たなる1年が始まりました。
新たな門出を迎える皆さんは、その準備に追われ、多端の中にあってもどこか、まだ見ぬステージに寄せる期待感で心躍る状態かと思います。
旅立ちの前に準備を、心を整える。
何事も初心に帰るこの時期に、私はウェイトリーの書いた逸話を思い出します。
「街には、クリスマスソングが流れ、ウィンドウは豪華に飾り付けられて、サンタクロースが街角で踊る。店頭には玩具もたくさん並べられ、5歳の男の子は目を輝かせて喜ぶに違いないと母親は思った。ところが、案に相違して息子は母親のコートにすがりつき、シクシクと泣き出した。」
『どうしたの。泣いてばかりいるとサンタさんは来てくれませんよ』
『あら、靴のひもがほどけていたのね』
「母親は、歩道にひざまずいて、息子の靴ひもを結びなおしてやりながら、何気なく眼を上げた。」
「何もないのだ。美しいイルミネーションも、ショーウィンドウも、プレゼントも、楽しいテーブルの飾り付けも。」
アメリカインディアンの教えというものに引用されたこのお話は、われわれ大人が忘れてはいけない何かを物語っています。
子どもの手を引っ張るだけでなく、たまには、子どもの視点に立ってものを見る、考えるといったことが必要なのではないでしょうか。
批判ばかりする大人にならないために、また、自身を戒めるために、この一節は今でも、私の心に残っているのです。
教育は共育。
子どもたちとともに、笑顔で健やかに学べるよう、今年度も精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
黒澤